茨城県つくば市手代木にある歯科医院です
予防歯科を中心として 歯とお口の健康を
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院長コラム・Vol.4
つくばヘルスケア歯科クリニック
院長・千ヶ崎 乙文書き下ろしコラムです
歯科医療に関する情報をご紹介します

院長コラム Vol.4 2014年 1月 30日

シリーズ 妥協しない最新治療の実践(1)・虫歯診断の新兵器 DiagnoCam(KaVo社)

ライブ画像によるう蝕診断・虫歯診断の新兵器 DiagnoCam(KaVo社)  痛みがある、穴が空いているなど明確な主訴があるとき、虫歯だと診断することは簡単です。
それは、虫歯が見えるからです。
問題は、本人も気づいてない、症状もない初期の虫歯や穴は空いていないが、深く進行している虫歯をどう発見し、診断するかです。

 予防歯科を長くやっていると、多くの方が定期管理でメンテナンスに来院されます。レントゲンで虫歯の存在は認識されているものの、無症状で穴も空いていなければ、リスクコントロールしながら経過を見つつ予防プログラムを実践し、虫歯の進行を抑制しようとするのですが、時として、見逃しによって、大きな虫歯として発見され、予防で来院されている患者さんのご期待に答えられない事態も発生することがあります。
見逃しと言っても、多くの場合、微妙な歯質の変化などはあり、注意深く見ることができていれば発見される可能性が高いですが、虫歯の進行度や深さをもう少し客観的に見ることができないかと常々考えていました。

昨年秋にKaVo社より発売されたDiagnoCamは、歯の頚の部分より赤外光を投射し、その透過光をデジタルカメラで撮影する診断器で、虫歯の広がりを陰影として捉えることができます。

例を見てみましょう。
この患者さんは、30年ぶりの歯科に検診を主訴で来院されました。
【例】DiagnoCam(KaVo社)による診断プロセスの実例・口腔内写真
特に臨床的な症状は一切ありません。通法に従って、全顎的なレントゲン、口腔写真を撮影し、視診を合わせて診断しました。

【例】DiagnoCam(KaVo社)による診断プロセスの実例・通常のレントゲン写真
レントゲンでは、特に異常と判定されていない左下6番ですが、私にはわずかに象牙質病変を疑わせる歯質の変色が気になりました。普通なら、これは虫歯ですと言って、削ってみて、虫歯だと認識するところですが、患者は30年ぶりの歯科であり、無症状なので納得するはずはありません。
そこで、DiagnoCamで撮影しました。インレーの脇に黒い影が広がっており、わずかな変色域と一致しています。このことからインレーを除去して確認し、患者も納得の上、治療を終了しました。
【例】DiagnoCam(KaVo社)による診断プロセスの実例・DiagnoCamで得られた画像
DiagnoCamは、従来のレントゲン、視診を補って、虫歯をより見ることができる診断用補助器具です。今までは初期虫歯の進行を視診とレントゲンに頼って判断していたのですが、これからはDiagnoCamを利用して正確な診断ができると思います。
この器具の最大の特徴はレントゲンと違って被爆などの危険は一切なく、無害なことです。 当医院では、KaVo社の計らいで、LAN構築ですべての診療室で即座に装置が使用、画像の保存ができるようにしてもらいました。
これから、虫歯診断の強力な武器になってくれるでしょう。
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