院長コラム Vol.9 2015年 6月 25日
シリーズ 妥協しない最新治療の実践(5)・インプラント・ガイデッドサージェリー
インプラント治療を臨床で取り入れて、早や25年になりました。予防管理型歯科医院として地域の中でのニーズに十分お答えできる体制を作ってきましたが、昨今は、インプラント治療の選択が増えている感じがします。ご自分の歯を失ったとき、従来なら入れ歯かブリッジで治療するのですが、特に自分の歯を削って犠牲にするブリッジの治療よりも単独で失った歯を補うインプラントを選択する人が増えました。
様々なケースへの対応できるようにするには、より適応症の拡大が必要で、骨造成やサイナスリフト(上顎洞底挙上術)も行ってきました。長らく採用していたAQBインプラントは、1回法で術式がきわめてシンプルであり、十分な予知性があるのですが、より複雑なケースや、より審美的な治療を目指すには十分とは言えず、ストローマン社やノーベル・バイオケア社のインプラントにも対応できるようにアップグレードしています。
ストローマン・インプラント
ストローマン・インプラントは、昔ITIインプラントとして1990年頃より国内導入され、私も初期にこのインプラントを採用しました。現在も20年レベルで維持管理できている患者様もいます。その安定した臨床成績から、更なる進化をしたストローマン・インプラントも症例により選択しています。ストローマン・インプラント
ノーベル・バイオケア
さらに、ノーベル・バイオケア社。ブローネンマルク・インプラントとして、歴史的にも世界をリードしてきた製品群を提供しているメーカーのインプラントもカバーすることにしました。ノーベル・バイオケア
このメーカーの特徴は、すべてのニーズを網羅しているラインアップを誇ることで、特にたった4本のインプラントで片顎のブリッジを維持するオールオン4というコンセプトの治療を実現していることです。
ノーベル・バイオケア:オールイン4
そして、CT撮影が常識化した昨今、より正確にプランニング通りにインプラントの埋入を行って、埋入事故やその他のリスクを低減しようとする試みとして、CT上のデータを元に作製されたサージカルガイド(ノーベルガイド)を用いた手術のサポートをする重要なソフト(ノーベル・クリニシャン)も導入しました。
ノーベルクリニシャンの画面
経験と勘に頼ってきたインプラントの埋入が安全に行えるようになったのです。
埋入の方向や深さがCTでシミュレーションした通りに行えます。これからはこのような埋入手術が標準になるでしょう。私は、今後、常にこのサージカルガイドを使用しようと思います。ノーベルガイド作製にはコストも手間も必要ですが、治療費の見直しを行い、標準でガイドオペができるような体制を整えました。
■ノーベルガイドを使用した即時埋入症例■
ガイドによって、事前にプランニングしているので、難しい手術も安全・確実に行うことができました。
ガイドによって、事前にプランニングしているので、難しい手術も安全・確実に行うことができました。
|