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歯周病は、歯の根元からポケット(歯肉溝)にかけて、細菌が沈着することで起こります。この細菌の付着はバイオフィルムと言われ、自分の歯ブラシでは落ちない汚れとして歯に密着し、歯石を誘発します。 この歯肉縁下(ポケット内)についた歯石を定期的にきちんと除去できれば、歯周病にかからない、あるいは、病気の進行を抑えることができるのです。 きちんと除去する! 実にここに歯科衛生士の技術の見せ所があるわけです。 一見、健康で、歯石も付いていないお口でも、実は、薄くフィルム状になった歯石がついているものです。全く付いていない人はいないのです。 定期的に歯科医院で歯石除去に通院する方は結構、いらっしゃると思いますが、超音波スケーラーという器械をあてて、痛みがないように短時間できれいにしてもらう。こんな感じで、行われていることが多いですが、実は、この程度では、肝心な歯肉縁下に付着した歯石は除去できません。折角、定期的に通院していても、歯周病の予防ができない可能性も出てくるのです。 歯の根元周辺の歯石沈着を細い探針で探り、それをよく研がれた手用器具で丁寧に取り除く。そういう作業を地道に行うことが、歯周病の予防には必要なのです。 一度、体験した方は、歯石が取り除かれた歯の周辺が舌で触っても、ツルツルして、気持ちがいいことがわかるでしょう。 この繊細な技術は簡単には習得できません。 歯肉の際のデリケートな部分は、雑に扱うと痛みを生じます。ポケットの中はさらに繊細です。従って、このゾーンを扱うには、繊細な探針の触知と正しい器具の使用による歯石の除去の技術が必要になります。 当医院の歯科衛生士は、この技術レベルを高めるために、米国歯周病学会専門医の中山吉成先生に毎年来院いただき、手取り足取りのハンズオンコースや指導を受けているのです。 恐らく、歯科衛生士がこのような教育を受けて、技術を向上させている医院は、とても少ないと思われます。 そもそも、歯科衛生士がいるかどうか、患者担当制かどうか、個室のサービスになっているか、欧米などの諸外国では、スタンダードなシステムがきちんと整備されていることすら、多くの医院にとっては、障壁になっている現状からして、その中で歯科衛生士の技量を向上させるために不断の努力をしている医院など、そうそうないはずです。 歯肉の際やポケット内を弄れば、血も出ますし、好ましくないことですが、痛みを伴うこともあります。しかし、この不快なことを少しでも減らして、歯周病の予防のために、微妙なゾーンに付着している歯石をきちんと除去するために、彼女たちは頑張っているのです。 今まで、通院されている方々は、改めて、私たちが拘って頑張っていることをご理解ください。また、こういうレベルの世界があることをご存じないあなたは、当医院で是非、メンテナンスを受けましょう。 本当に、自分の歯を残すためには、何が必要なのか、当医院で、体験してください。 本年の患者満足度調査では、昨年に引き続き、メンテナンス時の痛みについて、アンケートを行いました。(参照:2012年 患者満足度調査・質問 3 ) この中で、昨年は、不快なことがあったとされた方が、17%いらっしゃいましたが、今年は、その割合が11%に減少しています。歯科衛生士たちの努力が少しづつ実を結び始めていると実感できる数字です。 最後に今回のセミナーを受講した歯科衛生士の受講後感想文を掲載します。 担当患者さんに自分がやりたいことを一方的に押し付けていたことに気づかされた柴崎 静香 歯科衛生士(経験24年)
いつの間にか違ったやり方をしていることがあり 改めて改善して身につけたいです郡司 とし江 歯科衛生士(経験8年・歯科助手としての経験15年)
中山先生から学んだことを実践していけるように努力します小沼 秀子 歯科衛生士(経験20年)
技術的な面で努力しなければいけないことは多いですが 向上心を持って頑張りたい須長 美紀 歯科衛生士(経験10年)
探り具合で歯石があるなしの感覚が変わるので 上手に探って伝えられるように練習していきたい岡野 敦子 歯科衛生士(経験9年)
シャープニングは曖昧になっていた部分を今回のセミナーで再確認出来ました佐川 優子 歯科衛生士(経験9年)
シャープニングや探針を使っているところをみてもらえて間違いに気づいてよかったです北島 明奈 歯科衛生士(経験6年)
縁下歯石をとった感覚を体験してみると
片岡 裕美 歯科衛生士(経験5年) |
1. | 理解できたこと |
初めてしっかりと縁下歯石や探知をしてもらった。縁下についてないと思いましたが、ポケットが浅くても以外と細かい歯石がついていて、取る前と取った後の舌の触った感じや、すき間ができている感覚がよく分かりました。 歯石を取っただけで少し炎症があった歯茎がピンク色に変化してることにも気づき、縁下をとるということがよく分かりました。 |
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2. | わからなかったこと |
やっぱりまだ自分の探知には先生とは違う力が入ってしまっているし、力をいれていないようにみえて、引っ張ってみると手もついてきてしまう感じがある。なのに、体験してみると、先生の方がしっかりあたっていて歯石がある感じも患者さんに伝わりやすいのでもっと勉強が必要だと感じました。 | |
3. | シンポジウムを聞いて今後に役立つことはあるか |
歯石の探知やスケーラーの挿入の仕方など、分からなかったことが分かったので、もっと口腔内で練習したい。 テストスティックで切れなくても角度によっては切れるところもあるので、そういうところも上手に使用出来るように練習したい。 探知も先端からではなくやることで歯肉を傷つけないようにしていきたい。 |
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4. | 総合的感想 |
今回は自分が疑問だったことを中心に学べて、理解出来て楽しかった。まだ予防が出来るぐらいの技術はないですが、縁下の練習を今まで怖くてやろうとしていなかったですが、今日教えてもらい、縁下歯石をとりたくなりました。とった感覚を自分で体験してみると、この喜びを患者さんに伝えられるくらいの技術を身につけたいと思いました。 頑張ります。 |
1. | 理解できたこと |
シャープニングではスケーラーごとの角度の違い、道具の取り扱い方。中山先生、先輩DH、自分のスケーラーとでは何が違うのか比較することによって理想の形態がどのようなものか理解出来た。 探針も先端が欠けていたり、引っかかりがあっては探知が正確にできない。場合によって探針もシャープニングが必要だと分かった。 |
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2. | わからなかったこと |
相互実習で、スケーラーのあて方があやふやだった。除石時、疼痛を訴えられたが、刃先が歯石から離れていたのか、自分では何か原因なのか分からなかった。 練習不足と感じたので、日々の積み重ねの大切さが分かった。 |
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3. | シンポジウムを聞いて今後に役立つことはあるか |
メンテナンス以前に予防に関わる機会が少ないので、自分のスケーラーは新品とほぼ形態が変化していないので、中山先生のスケーラーのような形態にすぐすべきか分からなかったが、今の形態はこれはこれで良いという事が分かったので安心した。しかし、今後シャープニングによって三日月型のような形態を目標に厚み、幅を均一に細かくしていく事を意識しなければいけないと分かった。また抜去歯を使用しての歯石除去でも、刃の角度、力の入れ加減、腕の動かし方が分かったので、今後に生かしたい。 | |
4. | 総合的感想 |
今回私は2回目のセミナー受講でしたが、やはりすごく緊張してしまいました。 以前、中山先生に資料をいただいていたので、理解していたつもりでしたが、やはり“つもり”ではいけないなと反省しました。ただ、今回は2回目ということもあり、流れは把握出来ていたので、積極的に動けたように感じました。 シャープニング、SRP、探知など技術的・実践的な部分もとても勉強になりましたが、中山先生が私たちに指導して下さるときの分かりやすい解説だったり、患者さんとのやり取りを見ても、今後に繋げていかなければいけないなとたくさん学ぶ事ができました。 本当にありがとうございました。 |