■2014年 10月 16・17日 第10回 中山セミナーを実施しました


第10回 中山セミナー
臨床実践コース第3回
4ヶ月ぶりに中山先生にお出でいただき、歯周治療の手ほどきを受けました。
今年は、3回目、臨床的な実践トレーニングとして、各歯科衛生士、ドクターが自分の担当患者を中山先生と一緒に診るプログラムです。
日頃、患者さんと1対1のコミュニケーションで治療を行っていますが、中山先生が間に入る事で、今まで、患者さんも術者も気がつかなかった問題を認識できたり、歯周治療がうまく行っていない部位を施術していただいたり、また、それを担当衛生士がその場で指導してもらい実践するなど、実践的なハンズオンコースです。
回を重ねるごとに、衛生士の目つきが変わってきました。
プロフェッショナルとしての自覚と自信が少しづつ出て来たように思います。
今回は、副院長の三輪が歯周外科に挑戦。3時間に及ぶ手術でしたが、患者さんの協力もあり、十分に結果の出る治療ができました。
院長のみならず、スタッフ全員が歯周治療の実践レベルを向上させることで、来院されている皆さんの満足度は必ずや高まると確信しています。
来年も今年同様の実践セミナーを開催する予定です。

早朝から出勤し、道具の手入れを熱心に行っている歯科衛生士。
強制しなくても、自主的に取り組んでいるのは、とても嬉しいですね。
実力がグングン向上すると期待できます。

スタッフの感想


実際の患者さんでフラップオペを行ったことでイメージをより鮮明にすることができた
 三輪 浩之(歯科医師)経験11年目

1. 理解できたこと
  今回の患者さんでは、SPRを行ってもなかなかポケットが改善されない患者さんだったので、ポケット除去を目的とした歯肉弁根尖側移動術をかねたオペだった。ポケットを減らすという目的で、切開線の入れ方や、歯槽骨の削除など、どの程度必要であるかという感覚をつかむことができた。
2. わからなかったこと
  頬側は全層弁、口蓋側は一部、部分層弁でのはく離を行っていたが、不良肉芽のそうはの際に、かなり骨面でのそうはも重視して、徹底して行っていたので、部分層をはく離した意図を再確認しておきたい。
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  割と術後の腫れや、患者さんの負担を考えて、それほど思いきったオペをすることができなかった。しかし、今回何故オペが必要なのかを考慮した際、一連の系統だった切開や、はく離骨整形、縫合がきちんとされていないと、する意味がないので、一つ一つの行為をきちんと行っていきたい。
4. 総合的感想
  今まで外部の講習会などで、豚顎を使用したり、人工模型上での実習を受けたりして、フラップオペの勉強をする機会があったが、実際の患者さんで行ったことで、イメージをより鮮明にすることができた。ただ、長時間のオペに及んでしまったので、術前にもっと準備や流れを中山先生と確認すべきだったと思う。



ドクターとしてぶれない姿勢と患者さんに寄り添うハートを持ち合わせることが大切だと思いました
 三代 英知(歯科医師)経験20年目

1. 理解できたこと
  骨レベルに合わせて、歯肉レベルもそろえていく。ときに骨が下がっていれば、歯肉も退縮して患者さんに嫌がられることもあるかもしれないが、その方が清掃が容易にできて、かつ、歯の長期保存につながること
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  まずは口腔内をよ~くみて視診、ミラーの反対をつかい、打診をみて親指と人差し指のはらをつかいタッピングポイント・側方運動で咬合の確認、レントゲンの読影など適切な審査のもと診断をして患者さんにできるだけ正確な情報を伝えていくこと。ペリオのみならず、ときに戦略的に抜歯や矯正治療、咬合、ほてつと総合的な診断も大切で、そのためには学習と経験の積み重ねが必要。
4. 総合的感想
  疑問に思ったら患者さんに尋ねてみる。いろいろうるさいことを言われるのではと思い、言葉をさえぎるのではなく、できないことに関しては躊躇することなくはっきりとその旨を伝える。患者さんが先生だから常に先のことを考えて、患者さんにはプランをお伝えする。2年後、3年後も考慮しつつ、時には何度も何度も繰り返す。ドクターとしてはぶれない姿勢、患者さんに寄り添うハートを持ち合わせることが大切だと思いました。



患者さんへの説明は丁寧にわかりやすくしていきたい
 小沼 秀子(歯科衛生士)経験29年目

1. 理解できたこと
  探知はていねいにしっかりして、歯石の沈着や歯根の形態・分岐部などを把握する。スケーラーの選択は根面にしっかりあたるものを選ぶ。最初はどのスケーラーがあたるか試しながら、感覚を養っていく。スケーラーはポケット底まで入れて歯石を取り残さないようにする。
保存の難しい歯についてはDrと相談しながらきちんと患者さんに伝える。
2. わからなかったこと
  ポケット底は、じわじわ入れて軟組織にあたるところ、押すと痛いポケット底まで入れられているのかよくわからない。
痛みがあるのは歯面から離れたためかポケット底まで入ったからか自信がない。
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  CT撮影すると、歯と骨の状態が三次元で見ることができる。術者も状態を把握でき、説明しやすく患者さんもわかりやすい。しかし、北浦にはCT・レーザーはないので、つくばに行ってもらうようになる。CT画像を見て参考にしたい。
4. 総合的感想
  保存の難しい歯についてよくならないと一人で悩まず、Drに相談したり、できないものはできないと言う勇気も必要。
患者さんへの説明は丁寧にわかりやすくしていきたい。



抜歯対象の歯の延命は隣接歯の寿命に影響し 結局は両方喪失することになるので決断が必要
 郡司 とし江(歯科衛生士)経験10年目

1. 理解できたこと
  抜歯対象の歯の延命は隣接歯の寿命に影響し、結局は両方喪失することになるので、決断が必要。
2. わからなかったこと
  シャープニング
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  抜歯対象の歯の説得についで、残せる歯まで失うことになってしまうということを理解してもらう
4. 総合的感想
  ポケット底の歯石がとれないと、炎症は治らない。ポケット底をエキスプローラーで探知することを意識していきたいと思いました。



必要な治療に導けるよう自分の力量も客観的に考えながら取り組みたいと思います
 柴崎 静香(歯科衛生士)経験25年目

1. 理解できたこと
  ・治らないのは理由があるということ(歯石を取り残していたり、スケーラーによって歯面に段差を作っていること)
・ポケット底までスケーラーが届いていないため、ポケット底に取り残した歯石がある
・硬く薄い歯石を取り残していること
・スティムレーターでの歯間、分岐部の清掃
・歯周ポケットが浅くならない時は、歯肉弁切除をする
・靴磨き法で歯肉に食い込まないように操作する方法
2. わからなかったこと
  ・薄く硬く残っている歯石をハンドスケーラーで取り除くこと
・刃先が浮いているのか、歯石に届いている感じがしない
・同じスケーラーを使用しているのに、中山先生のような歯石が取れている音がしない
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  歯面をでこぼこにしてしまったために、歯石が再沈着しやすくなってしまった。窪んだ面を広く浅い窪みにするため、仕上げの軽い力でのストロークで歯面の段差をなくすようにしていく
4. 総合的感想
  同じように見えるケースでも、治り方は様々なので、評価をしっかり行い、治せているのか、客観的に分析し、治っていない場合は、どんな処置をすべきなのか抱えすぎないうちに、患者さんが必要な治療に導けるように、自分の力量の限界も客観的に考えながら、信頼に応えられるように取り組みたいと思います。



セミナーを通してメンテナンスに対して考えさせられました
 須長 美紀(歯科衛生士)経験12年目

1. 理解できたこと
  ポケットが深いままのところには、残石があること。根面を凸凹にしてしまっていることが考えられるという事を改めて感じました。
それと同時にSRPだけでは限度もあることも分かりました。
2. わからなかったこと
  ポケット底がまだ分かっていない。
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  レントゲンだけでなく、CTをうまく利用して骨の状態を把握して行うなど、今後いかしていきたいです。
また、動揺をみる際、両方の指でおさえて動かすことで、微妙な動きがあるかチェックすることができると思いました。
4. 総合的感想
  今までポケットの残っている部位に対して技術的に問題もありますが、それほど深くないので漫黙とメンテナンスを行っていました。それでも患者にとっては良くないことであり、改善はしない、出来ないことは出来ないと場合によっては言っていいのだと思いました。さらに、セミナーを通し、メンテナンスに対して考えさせられました。



反復練習や基本を意識して取り組む事を大切にしていきたい
 岡野 敦子(歯科衛生士)経験11年目

1. 理解できたこと
  現状をきちんと伝える事、予後を考えて診断する事が、患者さんのためになるし、信頼を得ることに繋がる。頑張って治療しても、デコボコが出来てしまうと治らないし、患者さんがホームケアしにくい部位や形態の所は、すぐに汚れがたまってしまう事でも治らない。
コミュニケーション不足
2. わからなかったこと
  ポケットに届いているのかどうか
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  ・スケーラーの挿入がうまくいかない所はポジションの確認をする
・現状や予後をきちんと伝えるために、X-Pの読影、歯牙形態の理解を深める
・シャープニングの姿を鏡で確認してみる
4. 総合的感想
  わかっているけど、それが出来るかは別、との事。だから、反復練習や基本を意識して取り組む事(力の加減、挿入の向きなど)を大切にしていきたい。また、長期的に患者さんを担当する事の責任を改めて感じた。今までの経緯を振り返ったり、アドバイスをもらうようにする。



1歯でも長く保てるように頑張りたいです
 佐川 優子(歯科衛生士)経験11年目

1. 理解できたこと
  今までは深い歯周ポケット、残石があれば探針で探知して、スケーラーでどのようにとっていくかということを学んできましたが、前回や今回治らない症例の患者さんを診ていただきましたが、いかに周りの歯を残していくためにダメな歯を認識して患者さんに伝えていくか、このままおいておいてはダメだということを理解してもらうことが必要だということが分かりました。
2. わからなかったこと
  衛生士として患者さんにどこまで立場的に言ってもいいのか。(EXTした方がいいとか、患者さんを説得させるということをしてもいいのか…)
3. シンポジウムを聞いて今後に役立つことはあるか
  FOPをしても細かい歯石はみえないということが分かりました。
探知して、スケーラーでとっていくことが必要になること。
4. 総合的感想
  Pga重度で残せない歯の所は、ちゃんとどういう状態か患者さんに分かって理解してもらえるように伝えたいと思います。
自分の力量を分かってできる所までまず行い、難しい所は先生に入ってもらい、1歯でも長く保てるように頑張りたいです。技術を上げられるように日々の仕事の中から力をつけていきたいです。



指先の感覚は毎日の訓練によって習得できるものだと思うので頑張りたい
 北島 明奈(歯科衛生士)経験8年目

1. 理解できたこと
  自分が苦手とする部位が再認識することができた。また、先生の探針の使い方やキュレット、CK6などの動きを間近で見ることができて、これからの参考になった。忘れないうちに習得できるようにしたい。
2. わからなかったこと
  探針でさぐって、同じようにスケーラーやキュレットを挿入するのが難しかった。スケーラーやキュレットの方が探針より奥まで入らない感じがした。
3. シンポジウムを聞いて今後役立つことはあるか
  FOP後の対応につて学ぶことができた。チェックの間隔やブラッシング(ホームケア)、医院でのケアの仕方が分かったので、これから参考にしてきたい。
4. 総合的感想
  今回のセミナーは、まだまだ自分は中山先生の言うような根面の滑たく化はできていないなと感じました。特に探針をつかった時の指先の感覚が研ぎ澄まされておらず、上手にさぐることがまだできていないことを再認識しました。先生の言うように、毎日の訓練によって習得できるものだと思うので頑張りたいと思います。
また、どこまでが自分ができて、どこからか先生たちに手伝ってもらう必要があるのか、その判断、決断の見極めもしっかりしていきたいです。



自分のスケーラーは切れ味がいいと自信がもてるくらいうまくシャープニングできるようになりたい
 片岡 裕美(歯科衛生士)経験7年目

1. 理解できたこと
  自分が思っている以上にポケット底は深いことがわかった。
シャープニングする際に、カッティングエッジにはあてず、まず形を作ってから最後に刃をつけるように研磨すること。
2. わからなかったこと
  メンテのときもポケットの深いところをとるようにするとのことだが、自分でやるとポケット底まで測りきれてないし、探知しても歯石を見つけることができない。その場合、できないことはできないといって違う人にまわしても恥じることはないとのことだが、自分の場合、すべての患者さんに取りきれてない気がしてならない。
3. シンポジウムを聞いて今後に役立つことはあるか
  シャープニングは先生が切れてますよと言ってくれると、やり方があっているんだなと自信になる。
スケーラーは切れるのに、患者さんの口には残石があるので、歯面のあて方や動かし方を参考にしていきたい。
4. 総合的感想
  今回はシャープニングをしっかりみてもらえなかったが、切れる形にはなっているとのことなので少し自信がついた。先生に確認してもらわなくても、自分のスケーラーは切れ味がいいと自信がもてるくらいうまくシャープニングできるようになりたい。



自信を持って良いですよとお話を頂き励みになりました 明日からも笑顔で頑張りたいです
 藤田 彩香(歯科衛生士)経験4年目

1. 理解できたこと
  大臼歯部のSRPを行う時、きちんと頭の中で根の形態をイメージし、刃先を動かすという事。基本的なことですが、お口の状況を患者さんと情報を共有する事。伝わらなければ、CTなど分かりやすいツールで情報提供を行うなど、Drと患者さんをつなぐ立場であるべきだという事が理解できました。
2. わからなかったこと
  今回の症例で、歯周ポケットにキュレットを挿入し、ポケット底をさわる感覚がわからなかった。中山先生と自分の差の違いを患者さんからも話を聞く事ができたが、当て方の難しさを感じた。
3. シンポジウムを聞いて今後に役立つことはあるか
  ただ、歯石を取るのに夢中になりがちだったが、まず患者さんのお顔や全身を見たり、粘膜・舌を観察し、咬合も把握するなど、視野を広く持つという事を学びました。分かっていたけれど、実行できていないなと感じたので、今後意識して仕事にのぞみたいです。
4. 総合的感想
  今回のセミナーでは担当患者さんを診ていただく事ができました。中山先生が縁下をさわると、刃がしっかり歯石をとらえているのに対し、自分だと、すべってしまう所があったので、当て方が良くない事を痛感しました。
ただ、最後に自分に自信を持って良いですよとお話を頂き、励みになりました。明日からも笑顔で頑張りたいです。