院長コラム Vol.8 2014年 8月 22日
シリーズ 妥協しない最新治療の実践(4)
インプラント治療の適応症の拡大を目指して(骨誘導再生術)
骨造成が必要ないインプラントケース
そこで、特に骨が不足していて、そのままの状態ではインプラントを植立できないケースでも、骨を誘導再生させて、インプラント治療を可能にする技術の習得に努力してきました。
骨誘導再生術(GBR:Guided Bone Regeneration)という技術が必要ですが、実は、私がインプラントを手がけて間もない1995年には海外の研修会に出向き、その治療技術および、その治療に必要な材料・器具を入手し、一部のケースでは行ってきていました。
昨今のニーズにお答えする形で、ここのところ、GBRのニーズはとても高く、多くのケースで骨誘導再生を併用するようになりました。
【症例1】インプラントのネジ山の露出への対応
CT撮影により、インプラント部位の骨は大きく陥凹しており、実際、植立するとネジ山が露出します
人口骨の顆粒を欠損部に充填し、上皮の陥入を防ぐためにメンブレンを設置しているところ。
粘膜弁を緊密に縫合し、術後CTを撮影し、インプラントの頬側寄りに骨造成材料が置かれているのがわかります。 |
【症例2】著しい骨の欠損がある場合の骨ブロック移植
患者は、CTによると骨欠損が大きく、インプラントを維持する十分な骨もないことがわかります。
|
鼻棘の下から骨ブロックを採取し、欠損部にネジで固定し、インプラントの固定を強化しました
その後、人工骨とメンブレンで創部を被い、粘膜部を緊密に縫合した症例です |
術後CTで十分な骨造成ができていることを確認できています。
|
最近、GBRの学術的な知見も整理され、術式も見直されて、これらの治療がより、安全、低侵襲で行えるようになってきたと思います。
インプラント治療は、もはや確立された治療の選択の一つになりました。
昨今は、インプラントに関して、様々なネガティブな報道が目につき、治療に踏み込もうとする方の不安を煽るような傾向がありますが、きちんとした診断と適切な外科処置、その後のメンテナンスによって、インプラント治療の成功率は格段に向上しています。
欠損をインプラントで治療して、自分の健全な歯を傷つけたくない方は、是非、ご相談ください。
|